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部門紹介

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コンペティション
Competition

映画は世界に開かれた窓である。映画を通じて、世界の今の姿を知ることができる。世界にいかに多様な人がいて、そして彼らがいかに自分と同じ人間なのだと気付くことができるのも、映画ならではだ。コンペの作品を見れば世界が見えてくる、ということをイメージしつつ選定を行った。ポイントは3つ。ひとつ目は、徹底して人間を描いていること。深い人間洞察のもとに構築されたドラマであれば、国境は無くなる。ふたつ目は、多様性。多くの地域から様々なタイプの作品が揃うことで、映画の奥深さを体験でき、世界の複雑さも見えてくる。3つ目は、作家性。監督の個性が映画に刻印され、独自の表現スタイルを持っていること。映画の現在を支え、未来を造る映画作家を応援することが、映画祭の最も大きな役割であることを改めて強調しておきたい。若手監督から著名監督まで、隔てなく招待するのがTIFFのコンペであり、手練れの技とフレッシュな勢いとを比べて鑑賞するのも楽しみ方のひとつである。
15本の多様性に富んだ作品の傾向をひと言でまとめるとしたら、「追いつめられた人々」という設定が共通項目として浮かんでくるかもしれない。変動し続ける世界の中で、人間もまた社会の状況から無影響ではいられない。我々に身近である金銭問題をはじめとして、飲酒やドラッグなどの依存症、あるいは巨悪組織との対決や、娼婦との絶望的な逃避行など、様々な局面で人物たちはもがき、希望のかけらを掴もうとして躍動する。老いを意識して自分の棺を発注する男も追い詰められているし、無人の村にひとり残った老女の心はもはや追い詰められた次元を超えた境地である。彼らは、ピンチからのカウンターをいかに繰り出すか。絶望から希望への転換をどう図るか。つまり、共通するのは、「明日をどう生きるのか」。人間を描くことに長けた才能に溢れる監督たちが、映画を通じて見事にこの混沌とした世界を伝えてくる作品が15本揃ったのが、今年のコンペティションである。

プログラミング・ディレクター
矢田部吉彦

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特別招待作品
Special Screenings

特別招待作品部門は、今後公開される話題作をいち早く紹介する部門です。
今年は、ディズニーの最新アニメーション作品『ベイマックス』をオープニングにすることができました。日本文化の香りもたたえたこの魅力的な作品は日本人の心に響く実にエモーショナルな作品で、ワールド・プレミアでの上映となります。
一方、クロージングも負けておりません。日本マンガの金字塔にして世界中に熱狂的ファンを持つ伝説的大傑作を山崎貴監督が完全実写映画化した『寄生獣』、こちらも本邦初公開となります。
この大変魅力的な2作品に加え、海外からは、勢いのあるインドやインドネシアの娯楽大作、ヨーロッパの名品、ハリウッドアクション大作、興味深いドキュメンタリー、国内からは、良質なドラマ作品、アニメーションにベースを持つ娯楽実写作品、話題性と魅力が伴うアニメーション群など、例年以上にバラエティに富んだ作品群となりました。
映画は多様性を持つ娯楽であり芸術です。これらの作品群を、ぜひご堪能ください。

プログラミング・ディレクター
都島信成

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アジアの未来
Asian Future

昨年創設された「アジアの未来」部門は、アジア(日本、中東地域を含む)で作られた新鋭監督の1本目または2本目の長編作品を対象にした、フレッシュなコンペティション部門です。
かつてTIFFには世界の新鋭監督たちが競い合う「ヤングシネマ・コンペティション」部門がありました。「アジアの未来」は「ヤングシネマ」の精神を継承し、若い才能を東京から世界に発信していきます。今年は昨年から2枠が増え、広大な地域から集まった10作品(うち9本がワールド・プレミア)がアジアの未来「作品賞」を競います。
さらに「国際交流基金アジアセンター特別賞」も新設され、ますますの盛り上がりが期待されます。アジア映画の新星たちの競演をお見逃しなく!

プログラミング・ディレクター
石坂健治

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国際交流基金アジアセンターpresents「CROSSCUT ASIA #01魅惑のタイ」
The Japan Foundation Asia Center presents CROSSCUT ASIA #01 Thai Fascination

本年創設の「国際交流基金アジアセンターpresents CROSSCUT ASIA」シリーズは、国、監督、俳優、テーマなど、様々な切り口のもとでアジア映画を特集していく新しい部門です。
1回目となる今年は「魅惑のタイ」。タイ映画といえば、20世紀末から21世紀初頭にかけて『ナンナーク』『アタック・ナンバーハーフ』『快盗ブラック・タイガー』『わすれな歌』などの傑作によって<タイ映画ルネッサンス>が花開き、2010年にはアピチャッポン・ウィーラセタクン監督の『ブンミおじさんの森』が東南アジア初のカンヌ映画祭パルムドールに輝くなど、多くの個性的な作家・作品を生んできました。躍進めざましいタイ映画の現在を代表するバラエティ豊かな8作品をお楽しみに! 映画界のニューリーダーたちによるシンポジウムも聞き逃せません。

プログラミング・ディレクター
石坂健治

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日本映画スプラッシュ
Japanese Cinema Splash

様々な形の日本のインディペンデント映画を応援していきます。TVと映画で豊富な経験を誇るベテラン坂口香津美監督による厳しくも感動的なドキュメンタリー、若手ながら実績十分の沖田修一監督によるチャーミングなコメディに加え、安藤サクラの奮闘を見事に捉えた武正晴監督と、野心的な青春長編を完成させた風間志織監督らの実力派監督が、日本映画の今を伝えます。新人として、難しいテーマを爽やかさを残して描く西原孝至監督、物語にツイストを効かせたチャレンジングな大内伸悟監督、激しい愛憎を激しく描く中川龍太郎監督、そしてインディーならではの表現方法に挑んだ太田信吾監督をお招きし、日本の未来を紹介します。

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ワールド・フォーカス
World Focus

海外の映画祭での受賞作や、有名監督新作などの話題作の中から、2014年8月31日時点で日本公開が未定の作品を集めた部門。欧米編では、ベルリン、カンヌ、カルロヴィ・ヴァリ、ヴェネチア、サンセバスチャンといった一流国際映画祭を沸かせた作品がずらりと並び、個性豊かな実力派監督の傑作そろい踏みとなった。カーン、ヒメネス、オストルンドといったTIFFなじみの監督作品は決して見逃せず、さらに映画ファンであれば、デュピユーの狂気を発見し、コスタンツォの愛の形に戦慄し、パールフィの不条理に狂わされ、アンダーソンの芸術に圧倒され、コンチャロフスキーの充実に目を見張り、そして、ボグダノビッチの復活に涙を流すべし!

プログラミング・ディレクター
矢田部吉彦

ワールド・フォーカス部門で紹介するアジア映画は、①海外の映画祭や製作国で話題を呼びながらも日本公開が未確定の作品②映画史の中に埋もれていた作品など映画祭ならではの“お宝”、という基準によるラインアップです。アン・ホイやフルーツ・チャンといった巨匠・ベテラン勢の新作、世界が注目する鬼才ラヴ・ディアスの5時間半の超長尺、期待の新鋭たちの新たな挑戦、社会情勢と連動する中東の作品群などに加え、「ディスカバー亜州電影」の冠を付けたインドとミャンマー(ビルマ)の作品は、アジア映画史に関わる貴重な証言でもあります。どうぞこの機会にお楽しみください。

プログラミング・ディレクター
石坂健治

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第26回 東京国際映画祭(2013年度)