作品解説
ニューヨークの中華料理店のトイレで出会ったふたりが、意気投合し、結婚。子供も産まれ、幸せな日々が待っているはずだったが、独自の育て方にこだわる妻の行動が徐々にエスカレートしていく…。『素数たちの孤独』(10/TIFF10出品)で天才の片鱗を見せたサヴェリオ・コスタンツォ監督が、愛情とオブセッションの間の境界線をサスペンスフルに描く傑作。ニューヨーク、妊娠、妻の狂気、といった内容が『ローズマリーの赤ちゃん』や『こわれゆく女』といった傑作を想起させる。ユーモアたっぷりの親密な空気が溢れる序盤から、徐々にトーンを変えていく作風は先が読めず、世界から孤立したように夫婦を切り取るカメラワークが独自の世界を作り上げた。前作に続きヒロインに起用されたアルバ・ロルヴァケルが迫真の演技を見せ、家族を繋ぎとめようと必死に奔走する夫役のアダム・ドライバーとともに、見事ヴェネチア映画祭の主演女優と男優賞をダブル受賞した。
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