作品解説
マリエは、測量研究所に勤める女性研究員である。毎日愛車で研究所に通い、計測や測量を行う。規則正しい毎日が続く中、パリで行われる「1キロ」の重量に関する学会が迫ってくる。研究所が保管している国の基準となる大切な1キロの重りを、パリに運ぶことになる。特別な容器に厳重に保管された重りを持って、マリエはパリに向かう。各国から同業者が集まる学会の場で、マリエに新たな出会いが待ち構えていた…。
内気なヒロインが様々な決断を迫られる中で、心の殻を少しずつ破っていく様子を暖かいタッチで描く人間ドラマ。科学と人間の行動の間にあるものに魅了されていると語るベント・ハーメル監督によれば、『キッチン・ストーリー』(03)にも底流していた人間の行動のおかしみを、さらに発展させようとしたのが本作である。一粒のホコリも許されないような科学的測量の世界を象徴するごとく、画面には北欧デザインのように美しく端正な雰囲気が漂い、そこに緊張した人間の感情をほぐすような、ユーモラスで温かい空気が吹き込まれる。まさに完全なるベント・ハーメルの世界である。監督が初めて女性を主役に据えた本作のヒロインを演じるアーネ・ダール・トルプは、ノルウェーきっての人気実力派女優のひとり。
●東京国際映画祭オフィシャルニュース 映画.com ニュース
⇒ 10/29:ノルウェーの人気女優アーネ・ダール・トルプ、「1001グラム」監督の演出手法を明かす
⇒ 10/27:ノルウェーの名匠ベント・ハーメル、新作「1001グラム」主演女優と共に来日
○オフィシャルレポート
→11/11:「最初から最後まで決してマリエは笑わないということを守りながら撮影を進めました。」コンペティション『1001グラム』-10/27(月):Q&A
→11/10:「人間は指標となるものを求めています。」コンペティション『1001グラム』-10/26(日):Q&A