作品解説
30代の姉妹、ソフィアとアナ。シングルマザーのソフィアは、子供たちにベジタリアンを強いていることが親戚の不評を買っている。アナは海外留学から帰国し、住む家を探している。互いに独立しているふたりだったが、父が離婚を考えていることを知り、再び家族としての関係に戻っていく…。チリ南部の小都市バルディビアを舞台に、美しい光の中で繊細に描かれる家族の物語。日常的な家族の風景の中に、父の秘密をはじめとして、少しずつ非日常的な要素が絡んでくる展開の見せ方が巧みで、等身大の家族の物語として観客の感情移入を誘う。父への反応を巡り、家族間のコミュニケーションの難しさを描き、ソフィアとアナの新たな出発の物語へと繋げていく展開は鮮やかである。『見まちがう人たち』(09/TIFFコンペ出品)で才能の片鱗を見せ、『Bonsai~盆栽』(11)がカンヌに招待されたヒメネス監督が実力を発揮した本作は、サンセバスチャン映画祭のコンペ部門に出品されている。
○オフィシャルレポート
→11/11:「映画自身が一つの物体、生き物になるような、それも僕の手を離れた独立したものになるという感覚」ワールド・フォーカス『ヴォイス・オーヴァー』-10/27(月):Q&A
→10/28:「この物語というのは、世界中どこでも起こりうる物語だと思います。」ワールド・フォーカス『ヴォイス・オーヴァー』-10/25(土):Q&A