作品解説
少女の青年に対する絶望的な愛の物語を軸に、ジャンキーとして生きていくノーフューチャーな若者たちを徹底したリアリズムで描くドラマ。情感を排したドライなNYの姿が、痛々しくも新鮮に映る。
本作は、主演女優のアリエル・ホームズの実際の体験談を、ベンとジョシュのサフディー兄弟監督が脚本にして映画化したものである。劇中でドラッグに依存する自分自身を演じるアリエルの振る舞いは、さすがに真に迫る。マンハッタンをさまようアリエルやその周辺の連中の空虚な行動は絶望的であるものの、本人たちに悲壮感はなく、人物像の背景説明が省略されている分、実際にストリートのドキュメンタリーを見ているような感覚に陥る。ジョン・カサヴェテスの名を冠した賞の受賞経験がある兄弟監督であるが、その賞に恥じないエモーションとテンションを保っているどころか、特徴のある音楽やストリートに溶け込んだかのようなカメラワークで、独自の世界の構築に成功している。アメリカのインディー・シーンでは名の通った監督たちであり、今後のさらなる飛躍のきっかけとなる1本である。イリヤ役にケイレブ・ランドリー・ジョーンズ(『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』『ビザンチウム』)が共演のほか、ストリートの伝説的存在であるBuddy Duress、天才ラッパーのNecroも出演。
●東京国際映画祭オフィシャルニュース 映画.com ニュース
⇒ 10/31:第27回東京国際映画祭は米仏合作「神様なんかくそくらえ」に栄冠!監督賞と2冠
⇒ 10/30:「神様なんかくそくらえ」監督&キャストが明かす製作経緯
⇒ 10/28:NYのストリートを斬新に描いた兄弟監督「カサベテスからの影響が大きい」
○オフィシャルレポート
→11/11:「この映画には終わりがないのです」コンペティション『神様なんかくそくらえ』-10/28(火):Q&A
→11/11:「これは私の物語です」コンペティション『神様なんかくそくらえ』-10/26(日):Q&A