作品解説
スケボー少年と、その友人。グラフィティーアートの趣味を共有する二人は、大規模なゲリラ・ペインティング企画に参加するが…。若者文化のみならず、様々な世代の音楽、そして宗教や政治やジェンダーなど、多様な視点を自由に含み、ユーモラスで風通しの良い青春映画。
タイトルはスペイン語で「マッシュルーム(キノコ)」を意味するが、監督によればそれはドラッグ的な幻覚や愉悦ではなく、菌類から連想される腐敗や分解を象徴するのだという。つまり、死から生へ、が本作のテーマである。感受性豊かな二人の青年が、世代を超えた芸術や音楽、そして政治や宗教に囲まれて過ごし、やがて来るべき未来に正対していく様は、なるほどニョキっと地面から頭を出しているキノコに見えてくる。二人の体験を通じてコロンビアの現在が垣間見えるようであり、ドキュメンタリー的な自然体の演出も巧みである。監督は第1作『Crab Trap』(10)がベルリン映画祭で国際批評家連盟賞を受賞し、続いてプロデューサー作の『La Sirga』(13/William Vega 監督)がカンヌ映画祭で上映されるなど、同国気鋭の新進映画人である。
●東京国際映画祭オフィシャルニュース 映画.com ニュース
⇒ 10/27:アートや政治を通して描くコロンビアの青春映画 新鋭ナビア監督「リアルさを追求した」
○オフィシャルレポート
→10/25:「2人のまったく異なる主人公の友情物語を描きたいと思いました。」 コンペティション『ロス・ホンゴス』-10/23(木):Q&A