さらなる次元の映画祭を目指して

ディレクター・ジェネラルとして２年目を迎える今年、東京国際映画祭は、従来の六本木を中心とした映画祭から、新たにオープンしたＴＯＨＯシネマズ 日本橋へと地域を広げて開催します。

映画は、その国の文化を理解し、国外の作品をより多く上映することで海外からの来日も増え、日本の優れた作品も了知してもらうことは、お互いの文化交流を深めます。

東京国際映画祭が、アジア最大の映画祭として認知度を高めていくために、世界中から集まる優良な作品を厳選し、受賞作品が国内外の映画ビジネスにおいてもいい結果をもたらし、
それが映画祭の権威を高めていくという好循環が、「作品重視・内容本位」の映画祭として重要であると考えます。

今年は、ＴＯＨＯシネマズ 日本橋を拠点として、日本のコンテンツの象徴であるアニメーション作品に注力し、上映にも力を入れる所存です。
これにより新たな映画ファンの創出、さらに連動するTIFFCOMには、バイヤーやセラーが集まる場となって、キャラクター、ファッション等のビジネスへの波及効果を狙いたいと思います。

また、映画業界のみならず、クールジャパンに該当する日本の優れたコンテンツとの連携を、東京国際映画祭が積極的に牽引することも肝要かと存じます。

どうか、昨年にも増して、皆様方のご協力とご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

第27回東京国際映画祭(TIFF & TIFFCOM)ディレクター・ジェネラル 椎名 保

椎名 保（しいな やすし）略歴

1951年東京生まれ。74年3月 早稲田大学理工学部卒業。同年4月 住友商事株式会社入社。87年同社映像メディア事業部参事。91年 株式会社アスミック(現アスミック・エース株式会社)取締役映像事業本部長。98年 アスミック・エース エンタテインメント株式会社 (現アスミック・エース株式会社) 代表取締役専務を経て、2000年同社代表取締役社長就任。04年 株式会社角川エンタテインメント代表取締役社長就任。09年 角川映画株式会社代表取締役社長就任。11年 株式会社角川書店代表取締役専務を経て、現在は株式会社KADOKAWA取締役相談役を務める。公職は外国映画通関連絡協議会会長、一般社団法人外国映画輸入配給協会 副会長など多数。