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2014.11.12
[イベントレポート]
「自分を偽らない、ありのままでいる」アジアの未来『ノヴァ ~UFOを探して~』-10/28(火):Q&A

nova

©2014 TIFF
左からメガト・シャリザルさん、アメルル・アフェンディさん、シャリファ・アマニさん、ナディヤ・ニサーさん、イエディル・プトラさん、ブロント・パラレーさん、トゥアン・ファイザル・アズミ・トゥアン・コブさん、ニック・アミール・ムスタファ監督

10/28(火)、アジアの未来『ノヴァ ~UFOを探して~』の上映後、ニック・アミール・ムスタファ監督、プロデューサーのトゥアン・ファイザル・アズミ・トゥアン・コブさん、撮影監督のジョルダン・チアムさん、俳優のブロント・パラレーさんとイエディル・プトラさん、女優のナディヤ・ニサーさんとシャリファ・アマニさん、俳優のアメルル・アフェンディさんとメガト・シャリザルさんのQ&Aが行われました。
作品詳細
 
 
Q:今回は新鋭監督の作品ということで、大変フレッシュな上映になっています。それではお一人ずつゲストのお名前と役職をご紹介します。まずは監督のニック・アミール・ムスタファさん、続きましてプロデューサーのトゥアン・ファイザル・アズミ・トゥアン・コブさん、それからバーグ役(主演)のブロント・パラレーさん、イジャム役のイエディル・プトラさん、ソフィア・ジェーン役のナディヤ・ニサーさん、マネジャー役のシャリファ・アマニさん、トーユ役のアメルル・アフェンディさん、アリ役でプロデューサーも兼ねていらっしゃるメガト・シャリザルさん、以上のように主要キャストが勢ぞろいです。
 
ニック・アミール・ムスタファ監督(以下、監督):監督のニックです。来ていただいてありがとうございます。
 
トゥアン・ファイザル・アズミ・トゥアン・コブさん(以下、トゥアンさん):プロデューサのトゥアンです。来て下さってありがとうございます。
 
ブロント・パラレーさん(以下、ブロントさん):ブロント・バラレーです。来てくださった皆さまにも、映画祭を運営されている皆さまにもお礼申し上げたいと思います。
 
イエディル・プトラさん(以下、イエディルさん):イエディル・プトラです。本当に参加できて光栄です。そして皆さんに来ていただいたことに感謝したいと思います。
 
ナディヤ・ニサーさん(以下、ナディヤさん):(日本語で)「こんばんは、私はナディヤ・ニサーです。皆さんお元気ですか。私は元気です。」私はソフィア・ジェーンを演じました。今日はお時間を割いていただきありがとうございます。
 
シャリファ・アマニさん(以下、シャリファさん):サラ(マネジャー)を演じました。皆さん本当に来ていただいてありがとうございます。
 
アメルル・アフェンディさん(以下、アメルルさん):こんばんは、アメルルです。この映画を観に来ていただいてありがとうございます。
 
メガト・シャリザルさん(以下、メガトさん):こんばんは、アリ役とプロデューサを務めました。映画の後もこんなにたくさん残っていただいてありがとうございます。
 
Q:まず監督に質問をさせていただきます。監督の初監督作品『KIL』は大阪で上映されましたが、今回の2作目の『ノヴァ』を作るまでの経緯をお聞かせ頂きたいと思います。
 
監督:前作の『KIL』主演のレザ・ミナ(Redza Minhat)とブレインストーミングで作品のアイデアを練っていました。実はこの『ノヴァ』は『KIL』よりも先に書かれたものです。今回この『ノヴァ』が東京でプレミア上映されることになり大変嬉しいです。
 
シャリファさん:これまではヤスミン・アフマド監督作品で来日の機会があったのですが、彼女が来日するということが何よりも重要でしたので、私は今回が初来日となります。私の親愛なる若い友人たちと来日することになりましたが、彼らは本当に心が広く、素晴らしいソウル(魂)を持っています。今回は準備万端で参りました。東京に来るまでにずいぶん時間がかかってしまい、本当にごめんなさい。
 
Q:監督に2つ質問があります。2011年の東京国際映画祭の同じ「アジアの風」部門で上映された韓国映画で、UFOを探す少年の『U.F.O.』という映画がありました。今回の『ノヴァ』とはまったく異なる映画だったのですが、そちらはご覧になったのでしょうか。もう1つは、作中に出てくる映画監督のバーグという名前はスピルバーグの名前からとっているのではないかと思うのですが、監督が最もインスパイアされた作品があれば教えてください。
 
監督:その『U.F.O.』という作品は見ていません。また、好きなUFO関連の作品は確かに多くあると思うのですが、この『ノヴァ』は当初“Begin Film”という英題で製作を進めていて、マレーシアの映画人へのオマージュで作りました。この『ノヴァ』には過去のマレーシアの作品や監督に関連するものや示唆するものが含まれていて、もちろんバーグという主人公の名前はスピルバーグにちなんでいますが、ここ20年ほどマレーシアで人気の作品も本作で紹介されています。
 
Q:とても楽しい映画をありがとうございました。笑って泣ける映画であると同時に、マレーシアの若い映画業界の方々が楽しく協力しながら作られたことが伝わってきました。またマレーシアのシニアの映画関係者へのリスペクトを大事にしつつ、継承する一方で少しひねりながら残していこうという意気込みが伝わってきたことも良かったです。それに関連してお伺いしたいのですが、本作にはシニアの映画人に関連するエピソードがいくつか入っていると思います。例えば冒頭の部分で切り株を批判しているところや、途中で車で通りかかった人が「そんなお化けモノとか撮ってたらダメだぞ」と言ってたりとか。そうしたエピソードの数々が、マレーシアの映画の中でどういった文脈を持っているのか教えてほしいです。
 
監督:ローリーで来て助けてくれる人がいますが、この役を演じてくれたのはマレーシアでは有名な映画監督です。現在マレーシアで興行的に成功している作品というのはホラーやギャング、ゾンビ系の作品が多くて、この映画監督がまさにそうした作品をよく撮っている方です。
他に(オマージュとして)触れている部分を挙げるとすれば、ヤスミン・アフマド監督の『タレンタイム』(第24回東京国際映画祭にて上映)という作品があります。
 
Q:とてもメッセージ性の強い映画で、エンドロールでは思わず涙してしまいました。とても素晴らしい作品をありがとうございました。今回監督からのメッセージをサイトで拝見して、「内面性を描きたいところから今回の作品が始まった」とあったのですが、主人公の映画監督のバーグに自身の体験を投影している部分があるのであれば、お伺いしたいです。
 
監督:主人公のバーグはまさに私だというくらい、自分自身を投影しています。またイジャムというキャラクターは脚本を書いてくれた彼(レザ・ミンハト)の経験が投影されていますし、トーユ役は演じたアメルル・ラフェンディ自身の経験が反映されています。またアリ役についても演じたメガト・シャリザルの姿が反映されています。特にトーユは社会に順応しなければならない、自身を変えていかなければならない立場に身を置いていて、そうした現実に対して私はバーグという主人公を通じて、ありのままでいることの大切さを訴えているつもりです。
 
司会:せっかく6人も俳優さんにお越しいただいたので、お一人ずつ役作りに関してお話いただければと思います。
 
ブロントさん:偶然今回の作品の脚本を手にしたときに、なかなかこうした作品はマレーシアでは見たことがなかったため、自分の方から監督にアプローチしました。ぜひこの役をやらせてほしいと申し出ました。そこから話し合いや演技指導を経て、準備過程やリハーサル中にもプロジェクトが進化し、発展していきました。
 
イエディルさん:この作品はとても細かい部分、ディテールに目配りがされた作品です。それは監督や制作陣をはじめとして、現場にいた全員が心がけたことでした。また撮影前の準備にとても時間を割きました。これは非常に重要なことなのですが、マレーシアの映画界では近年はそうしたことがとても珍しいことになってしまいました。しかし今回は映画制作の原点に戻ってそうしたことに時間をかけることで、本作がマレーシア映画界によい影響を及ぼすことを願いながら制作を進めました。本作に出演できたことを大変誇らしく思っています。
 
ナディヤさん:私は個人的には撮影前に時間をかけたこと、リハーサルや演技指導を十分に行ったことはとてもよいことでした。また私は自分自身、特に男性とどう向き合ったらよいのかということについて自信が持てなかったのですが、本作を通じて自信を持てるようになりました。実は(私の演じた)ソフィア・ジェーンという、実在する有名な女優さんがマレーシアにはいます。彼女はアリ役を演じたメガト・シャリザルの憧れの女優さんでもあったので、彼の思いが私の役に投影されています。
 
シャリファさん:私が演じたサラという役はとても小さな役なのですが、グループを面倒を見る役です。バーグを演じたブロント・バラレーに「ぜひ脚本を読んでみて。絶対にやってみたいと思うはずだよ」と言われて誘われたのですが、実際に参加してみたところ彼の言った通りでした。彼は私にとって兄弟のような人物なので、今回は本当に素晴らしい皆さんと演技ができてよかったです。皆さんを傍観するというよりは、愛情をもって見つめていたという感じでした。
 
アメルルさん:実はこの作品は私アメルル・アフェンディにとって初めてのコメディ作品でした。ですので制作のプロセス、リハーサルに至るまでの過程をとても楽しむことができました。カーさんという演技指導の方もとても素晴らしい方でした。
 
メガトさん:この脚本は主演のブロントからもらったのですが、その際彼はとても興奮していました。彼はこの役に入るために体重を減らして頑張るということを言っていて、じゃ僕は太るよということで、15キロもこの役のために太りました。というのも、ロードムービーというのは必ず太った役がいるのが定番だからです。また私の演じたアリが太っていれば、後で「アリってあの太ったやつね」と見た方々に思い出してもらえるとも思いました。アリというのは、人の言うことや見た目などを気にしない一方で、でも彼はみんなの負担や重荷を全部背負っている、そんな役柄だと思いながら取り組みました。
 
トゥアンさん:本当に私も監督のニックも恵まれていたと思います。それはこんなに熱心に取り組んでくれる役者に出会えたからであり、この場を借りて感謝したいと思います。実は主演のブロント・バラレーが「予算があるのであれば歯医者で奥歯を抜きたい。そうすればよりゲッソリと見える」と申し出たことがありました。幸いそんな予算は出ないよ、ということで彼を思いとどまらせることができたんですが、最大限我々も俳優陣が取り組みやすい環境を整えるよう努力しました。しかし俳優陣の取組姿勢がなければ今回の作品は完成できなかったと思います。
 
監督:「自分を偽らない、ありのままでいる」というメッセージに加えて、友情を本作はテーマにしています。我々制作陣も映画の制作を通じて友情を育みました。みなさんもこの映画を観て、映画のことを多くの友人たちに広めていってほしいと思います。本日はありがとうございました。

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