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2014.11.12
[イベントレポート]
「お化けが付け入る隙もありません」CROSSCUT ASIA #01 魅惑のタイ 『ラスト・サマー』-10/28(火):Q&A

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©2014 TIFF

10/28(火)、CROSSCUT ASIA『ラスト・サマー』の上映後、女優のスタッター・ウドムシンさんとプロデューサーのルタイワン・ウォンシラサワットさんのQ&Aが行われました。
作品詳細
 
 
ルタイワン・ウォンシラサワットさん(以下、ルタイワンさん):皆さまこんばんは。私たちの映画が東京国際映画祭で上映され、とても光栄です。
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©2014 TIFF

 
スタッター・ウドムシンさん(以下、スタッターさん):私のあだ名はパンパンと申します。先ほど上映された映画、皆さん気に入っていただけたら嬉しいです。
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©2014 TIFF

 
Q:ホラーとしての怖さだけではなくて、人間の嫉妬みたいな怖さも感じてとても面白かったです。想像以上に怖かったのでこの後夜、電気を消して寝れるか不安なのですが、スタッフの皆さんは撮影中にお帰りになってから引きずってしまって怖いとかいうことはあったのでしょうか?
 
ルタイワンさん:すごくよく眠れました。すごく疲れていたんです。撮影現場に五時半に行くために四時半には起きていました。それから撮影はだいたい夜から朝までということが多かったのです。なのでプロデューサーの私も年ですし、ぐっすり眠れました。
若い彼女(スタッターさん)ですけれど、階段を昇ったり降りたりしてすごく疲れているので、やっぱりぐっすり寝たそうです。お化けが付け入る隙もありませんでした。お化けが出たかもしれないんですけれどね、出ても気がつかなかったかもしれないです。
 
Q:タイの人はお化けを信じている人が多いみたいですが、お二人はどうですか?
 
ルタイワンさん:タイ人はお化けの存在というよりは、祟られるとしたら多分良くないことをしたから祟られるという風に感じて、信じています。
 
スタッターさん:私は信じています。タイではお化けの話はいろいろあって、お化けに追いかけられたとか、お坊さんがお化けに追いかけられたという話まであります。ただ、良いお化けと悪いお化けがいて、さっきプロデューサーの方がおっしゃったように、悪いことをしてその仕返しに出てくるお化けと、良いことを告げてくれるお化けもいるんです。
 
Q:日本でホラー映画を撮影するときにお祓いに行ったりすることがあるそうですが、今回撮影するにあたってそういうことはありましたか?
 
ルタイワンさん:監督とプロデューサーは毎朝にお祈りを捧げるのが日課でした。撮影場所は2箇所ありましたが、毎朝やっていました。それ以外にも身の回りにいる目に見えないお化けに対して、ろうそくに火をつけたりしてお祈りをしていました。役者は毎日はお祈りしないのですけれども、例えばすごく大事なシーンの場合は役者も揃ってお祈りを捧げていました。例えば、若い男の子が車を運転していて木にぶつかるシーンがあったのですけれど、その際には撮影前にお祈りしました。というのは、樹齢の長い木にはすごく良い精霊が宿っているということで先にお詫びの意味も込めて、お祈りを捧げました。
 
Q:スタッターさんは何回くらいお祈りをしたんですか?
 
スタッターさん:覚えていられないほど何度もお祈りをしています。たとえば山や寂しいところに行って、実際にそこにお化けが出たといわれる場所もあったので、何度もお祈りをしました。
 
Q:三人の監督さんに分かれて撮影をされたということですけれども、そういう方向をとった理由と、その三人の監督さんのそれぞれの特徴みたいなものはありますか。知り合いの監督さんだったんですよね、その監督のこういうところが見所で、どういうのがある、というのをプロデューサーの方から教えていただければと思います。
 
ルタイワンさん:この映画は映画制作会社タレント・ワンという会社の初めての制作作品です。まず脚本を書いた時点で主人公、学生が一人亡くなっているというストーリーなのですが、私たちは誰が殺したというよりも、なぜ彼女は死ななければならなかったのかというところに焦点をあてました。そしてその亡くなった学生に関係する三人の人物に焦点を当てて、三つのパートでストーリーを展開しています。一話目のパートは恋人、二話目が親友、三話目が家族になります。それを三人の監督に撮らせたらいいなと思いました。で、三人の監督が三つの違う角度から撮るという意図なんです。で、この三人を選んだのは、三人の過去の作品を見てから適性で選びました。一話目は若い活発な男性、シン役ですけれども、彼がメインですが、この部分を監督したのはCMで世界的な賞をとったこともある若い監督(キッティタット・タンシリキット監督)です。なので彼にならこの若さを表現できる、ぴったりだと思いました。二話目のシッティシリ(・モンコンシリ)監督は化粧品のCMを今までたくさん撮ってきて、女性を監督するのがとてもうまいんです。なので二話目はタンタンさん演じるミーンがメインキャストなので、彼が適切だと思いました。そして三話目が長編映画『Together』という家族を題材にした映画を撮ったことがある監督(サランユー・ジラーラック監督)ですけれども、ちょうど三話目が家族の話なので、これが彼にぴったりではないかと思って選びました。
 
Q:ジョーイさんですけれども、なぜ死んでからこんなに周りの人を追いかけ回して殺さなければいけないくらい怖いお化けになってしまったのでしょうか。
 
スタッターさん:ジョーイさんが亡くなった理由があります。たとえば信じていた恋人に薬を飲まされたこと、それから親友だと思っていたミーンが大事なときに私に薬を持ってきてくれなかったこと。ミーンは親友だと思っていたけれど、後ろの方でネタバラシがありますが、理由があります。そして三人目がジョーイのお母さんが子どものときからプレッシャーをずっと与え続けてきたこと。結局間接的にですけど死ぬ理由を作ったので、死んでからもお化けになって出てきてしまったんです。
 
ルタイワンさん:若い子なのでホルモンが強すぎたんじゃないかな(笑)日本は同じかどうか分からないですけれど、これはタイの競争社会を表しています。タイでは誰もが有名になりたい、若者だけでなくその両親も有名になりたいといった風潮があります。なのでそういったプレッシャーがかかった結果、こういった事件が起こりうる可能性があると。なので、今回の映画はホラーとしての怖さだけでなくて、社会の問題も映し出しています。
 
Q:タイではお化けがいっぱいいるらしいですけれど、パンパンさんはホラー映画は見ますか。
 
スタッターさん:ホラー映画を見るのが大好きで、タイ映画だけじゃなくて欧米映画もたくさん見てます。
 
Q:タイのホラー映画と、日本のホラー映画と、ハリウッドのホラー映画、それぞれ違いますが、どこのホラー映画が好きですか。
 
スタッターさん:やっぱりどこの国のホラー映画が好きですかって聞かれたら、やっぱり自分の国のホラー映画が一番好きだと思います。先ほど質問でジョーイは何であそこまでするの、と言われましたが、たぶん文化が理解できないからそこまで楽しめないんだと思うんです。たとえば私が『エクソシスト』という映画を見たときも、なんで悪魔を追いかけるのだろう、というのがいまいち理解できない。それと同じだと思います。
 
Q:まず女優さんの方に自分があの立場だったら助けたかしら、っていうことと、あえて身内に甘くしたというのはどういった考えをお持ちなのかプロデューサーさんにお伺いします。
 
ルタイワンさん:一番目のボーイフレンドはひどい仕打ちをしたので殺されて当然かと思います。二人目の親友はすごく大好きで信用していたのに裏切られたという思いがあったのです。でもやはり家族はお母さんがいかにひどいことをしても、それは子どもを愛しているから良い行為なんです。なので家に彼女の霊が戻ってきたのは、お母さんに、弟をお母さんの犠牲にしないでと注意しにきたんです。いくら幽霊が怒っていても、さすがに家族は殺せないです。

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