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2014.11.11
[イベントレポート]
「戦争が世界のどこにおいても起きないように、平和が続きますように、みなさまがお互いに思いやりをもって愛し合うことができますようにと、心から思っています」アジアの未来『遺されたフィルム』-10/26(日):Q&A

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©2014 TIFF
ソト・クォーリーカー監督

10/26(日)、アジアの未来『遺されたフィルム』の上映後、ソト・クォーリーカー監督、プロデューサーのマレー・ポープさん、エグゼクティブ・プロデューサーのニック・レイさん、女優のマー・リネットさん、俳優のソク・ソトゥンさんとトゥン・ソーピーさん、女優のディ・サヴェットさん、撮影監督のボニー・エリオットさんのQ&Aが行われました。
作品詳細
 
 
ソト・クォーリーカー監督(以下、監督):みなさん、私は本当に緊張しています。こんなに名誉のある映画祭に参加するということがとても光栄で、もしかしてみなさんの質問を十分に理解するゆとりがないかもしれませんが、よろしくお願いいたします。
 
司会:石坂PD:それでは監督からおひとりずつご紹介していただけますでしょうか。
 
監督:このたびはお招きいただきましてありがとうございます。カンボジア映画が東京国際映画祭で上映されることはとても嬉しく思います。日本という国はカンボジアにとって友人の国であり、私たちチームにとっても日本のみなさんは友人です。そして、まずそれぞれを紹介したいと思います。私は監督のソト・クォーリーカーです。
まずお母さん役を演じましたディ・サヴェットさんを紹介したいと思います。彼女はまさにレジェンドと呼べる方だと思います。映画界、人生において本当に多くの経験をされて、彼女自身のことがこの映画にも反映されていると思います。
そして若くて美しいマー・リネットさん。彼女は映画初出演となります。なぜ彼女をこの役にキャスティングしたかといいますと、本当に深い感情を豊かに表現できるということ、感情のあふれんばかりの才能に満ち溢れた俳優さんだからです。
そしてソク・ソトゥンさん。映画界で実績があり、映画監督でもあられます。映画の教育はロシアで受けられました。
トゥン・ソーピーさん。本当に優れた俳優さんで、実は私がプロデュースをしたり、関わったりした作品の多くに出演していただいています。今まで一緒にやった経験から、今回の脚本を読んですぐに父親役をお願いしたいと思いました。才能あふれる方で、役の幅はポン引きから王様まで幅広い芸域をお持ちです。
そして撮影監督を紹介したいと思います。ボニー・エリオットさん。エネルギーあふれる方で、撮影に入る1週間前に一緒にロケ地の確認ということで、撮影する場所を回って、いろいろとシーンの撮り方を分割してスケジューリングをしたのですが、同じ高いエネルギーのレベルを持っていて、お互いを常に充電し合っているような感じでした。
マレー・ポープさん、プロデューサーです。今回、ロケハンも手伝っていただきました。今回脚本が出来まして、すぐに読んでいただいて、「あぁ面白いね」と言ってくださって、ぜひプロデューサーとして参加していただけませんかとお願いしたところ、快く加わっていだきまして、私が監督に専念できたのもポープさんのおかげです。
そして、エグゼクティブ・プロデューサーであり、私の夫でもあるニック・レイさんです。彼は本当に全面的に精神的にもサポートしてくれ、私たちの2人のすばらしい子供の面倒も見てくれて、私は撮影中映画に没頭することができました。
 
司会:石坂PD:女優さん二人からお言葉をいただきたいのですが。まずは、ディ・サヴェットさん、実は2年前にカンボジアの古い映画と新しいドキュメンタリーの特集をやったときに、すでにスクリーンの中でご覧になっている方もいらっしゃると思います。今回、こうして来ていただき、リストに名前を見つけたときに、私はかなり胸がときめいちゃったのですが、まさにカンボジアの原節子さんみたいな方、でも年齢としては吉永さゆりさんなのですが、いずれにしても大変な方でいらっしゃいます。一言ご挨拶をいただければ幸いです。
 
ディ・サヴェットさん:日本のみなさま、こんにちは。今回私は、クォーリーカー監督のカンボジアが大変だった時代を描いたこの作品に参加して、日本に来ることができてとても光栄に思っております。私が日本に来るのはこれが二度目になります。一度目は1967年に参りました。今回が二度目ですが、前回に来たときと比べて日本は非常に発展していると思いました。また芸術に対するみなさまの興味が昔よりも強くなっていると感じています。今回みなさまが滅多にないカンボジア映画を見にたくさんいらっしゃってくださってとても嬉しく思います。今回の映画と同じような状況を私は経験したわけですが、もしクメール・ルージュの時代に私がカンボジアにいたら、おそらく一番に殺される運命にあったと思います。幸いなことに、1975年にタイへ出ましたら、カンボジアに戻る飛行機がもう出なかったために、このように生き延びることができました。私は生き延び、内戦自体は見なかったのですが、一緒に仕事をしていた俳優たちはみんな死んでしまいました。それを後から知り、そうした知識のある人たち、芸術に携わっていた人たちがみな殺されてしまったということを知って、戦争というものはなんとひどいことなのだということを深く理解しました。私は戦争の悲惨さというものを身にしみて感じています。今回、私は命があって、日本に来て、みなさまにお目にかかれるということはどんなにか幸せなことかと痛感しております。クォーリーカー監督の作品に出ることができましたのも非常に幸運なことだと思います。この映画の中で描かれているように、戦争がどんなに悲惨なものかということをみなさんにわかっていただきたいと思います。戦争というものが起これば、多くの人が亡くなります。女性も男性もみんな亡くなります。こうしたことがもう絶対にないように、どこの国とも限らず戦争がなくなりますように。みんなが愛し合い、弱いものを助ける、どこにいても人々にはみな同じ血が流れているのだということを考えてほしいと思います。何度も申しますが、戦争が世界のどこにおいても起きないように、平和が続きますように、みなさまがお互いに思いやりをもって愛し合うことができますようにと、心から思っています。どうぞみなさまにも良い事がたくさんありますように。カンボジアと日本というのは昔から仲の良い国です。私たちがずっと仲良く幸せでありますように。今日はありがとうございました。
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©2014 TIFF

 
司会:石坂PD:では主演女優のマー・リネットさん。ひとことお願いいたします。
 
マー・リネットさん:日本のみなさま。今日はお越しいただいてありがとうございます。日本の方も日本以外から来てくださった方もいらっしゃると思います。私は今日ここに来て大変わくわくしています。日本に来るのも初めてですし、映画祭に参加するのも初めてですし。こうして自分が出た映画を見ることができて大変嬉しく思います。今回映画がここで上映されて嬉しいのですが、これがカンボジア映画であることと、監督が若いカンボジア人であることも嬉しく思います。私たちはこの映画の中で、全員一生懸命演じて映画を作ってきました。ここで上映されることでとても興奮しています。

 
司会:石坂PD:俳優さんからもご挨拶をお願いいたします。
 
ソク・ソトゥンさん:日本のみなさん、こんにちは。お招きいただき嬉しく思います。この場を借りてクォーリーカー監督にもお礼を述べたいと思います。カンボジアで唯一の女性監督です。それから、わたしたち全員をお招きくださった事務局のみなさまにもお礼を申し上げたいと思います。私は長く話すつもりはありません、みなさんが私の言いたいことをすべて代弁してくださったので。この場にいて、今、大変わくわく興奮しています。カンボジアの映画がこうして形作られて、公に上映されるようになったことが大変嬉しいです。そして監督がたったひとつの映画の中で、3つの時代を描き分けたことがとても素晴らしいと思います。みなさま、カンボジアの歴史で大変な時代が続いたことはすでにご存知のことと思います。本当につらい厳しい時代を超えてきたと思うのですが、その時代から開放された後、日本がカンボジアのために非常に尽くしてくれました。この戦争が終わってから、カンボジアと日本の絆が強くなったわけですが、橋でも「きずな橋」や「チュルイチョンバー橋(通称日本橋)」を作ってくださっただけでなく、オートバイ、車、カメラからさまざまな機材が日本から入ってきています。私自身も車はカムリに乗っています。最後に日本のみなさまがずっと幸せでありますように。カンボジアと仲良くしていだけますように。
 
司会:石坂PD:では最後にトゥン・ソーピーさん、ひとことお願いします。
 
トゥン・ソーピーさん:今日見に来て下さった皆様、クォーリーカー監督、カメラマンの方、今日来て下さったスタッフ、クォーリーカー監督の伴侶のニック・レイさん、みなさんに感謝申し上げたいと思います。今度こそ本当に、先にお話になったみなさんがすべて話してくださったので私は本当にちょっとだけしゃべります。私は本当に日本に来られて幸運だと思っています。私は何年も前から日本に来たいと思っていて、それは叶わないことだと思っていましたが、クォーリーカー監督の作品に出演したことでこうした素晴らしい街、東京に来ることができて本当に幸せです。最後にここにお集まりになったみなさんに、よいことがありますように。そして、健康で元気に過ごせますように。
 
遺されたフィルム

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